
精油の取扱方法

精油の使用時注意事項
*異常を感じたらすぐに使用を停止してください
精油の使用方法が正しくても、また、精油の品質に問題はなくとも、個人の体質や体調により一部の精油に発疹、赤味、はれ、痒み、皮膚色の変化などの反応が出る場合が稀にます。アレルギー体質の在る方はご自身で判断なさらず医師・薬剤師にご相談の上ご利用ください。使用していて何かがおかしいと感じたら、すぐに使用を中止してください。
*アレルギーをお持ちの方や投薬中の方は医師や薬剤師に相談の上でご利用ください。
成分分析表もご活用ください。
*初めて使用する精油は、少しずつ
初めて使用する精油については、トラブルを避けるため少量ずつ試すように使用してください。
*妊娠中、授乳中、6歳未満のお子様は、トラブル予防のために十分な知識がない場合は使用しないでください。
使用しても大丈夫な精油ももちろんありますが、精油に対する感受性が上がっているので、知識を持って少量ずつ様子を見ながらご利用お願いいたします。
妊娠中や授乳中には向いていない精油などもあります。
*精油を直接原液で塗布しないでください。マスクに塗る時も希釈したものを!
精油を塗布する際には塗布しても良い精油なのか確認された上で、植物油で3~10%濃度に希釈し、ごく少量でテストして問題がないことを確認してからご使用ください。
マスクに付ける時は外側から付けると良いでしょう。
一部原液で塗布しても問題ない精油もありますが、局所的に使用する場合に限定されますし、ほとんどの精油は直接塗布は出来ません。十分な知識がない方は原液を使用なさらないようお願いします。
精油の重さなどは種類によって違うのですが、だいたい1滴あたり約0.05ml、0.045gで換算します。
濃度(%)= 100x精油の重さ÷(精油の重さ+植物油の重さ)
*お風呂に原液を落とすのも避けてください。
精油の原液が湯舟に浮き、それが肌に付着すると、原液をお肌に塗るのと同じことになってしまいます。レモンなどの香りが良いからお風呂に垂らす方がいらっしゃいますが、肌荒れや痒みなどのトラブルが頻繁に報告されています。
岩塩と混ぜるレシピなどもよく紹介されていますが、岩塩があっても水と精油成分が混ざる事はありません。※精油は雑貨(食品添加物として輸入している場合あり)であり、化粧品ではありませんので、皮膚への使用は自己責任でお願いいたします。
*2週間以上連続で大量の使用はしないでください。2週間使用し続けたら数日お休みしてください(期間や量は個人差があります)
海外では、精油を毎日かなり大量に取り込むように使用したアメリカ人女性が、1年後にすべての精油にアレルギー症状を起こすようになったという話があったそうです。精油に限らず、1日の使用量x継続日数が本人の限度を超えた場合、アレルギーを発症する場合があります。精油は高濃度の植物成分を含んだ物質のため、製品に問題がなかったとしても使用量がかなり多ければ負担が大きくなりトラブルに繋がりますので、長期の継続使用は避け、体調などに変化はないか注意を持って使用しなければなりません。
*水は使用しないでください。
精油は水に触れると劣化し始めますので、アロマテラピーでは水を出来るだけ使わないのが原則です。
虫よけスプレーやルームスプレーなどのレシピで、アルコールを媒介物質にして精製水に溶かすものがよく説明されていますが、透明のビーカーなどにアルコールと精油を入れてしっかりと混ぜた後、水を注いでみると、アルコールは精油から離れて水へとすぐに溶け込み始め、精油はどちらともほぼ分離しています。そうなると精油を直接吹き付けているのと同じような状態になります。分散させたい場合はアルコール(無水エタノール等)に溶かすのが一般的ではあるのですが、幼児やアルコールに弱い人はアルコールを吸い込んだ時に害が出る場合もあるので、「虫よけオイル(アルコールではなく植物油で希釈)」を作るのも一つの方法です。
ですが加湿器や、マグカップに温かいお湯を注ぎ精油を垂らして行う蒸気浴などについては、加湿器の精油の入り口などを都度掃除しながらであれば問題はないかと思います。
*開封後の使用期間は?
開封後はしっかり蓋をして温度管理も適切であれば、1~2年ほどもちます。柑橘系に関しては1か月ほどで酸化します。長期間使用しない場合はアルゴンや窒素充填などを行い酸化を防止しましょう(保管についてを参照)。香りが明らかに変わったと思ったら変質していますので、使用を中止して下さい。
*トラブルを避けるため、単体精油については、情報サイトや書籍などである程度以上、その精油の情報や知識を仕入れてから使用してください。ですがネットも書籍も間違った情報も多々見かけますので複数のサイトや書籍を参考にしてください。
*飲用(経口摂取)について
経口摂取については、注意が必要で、批難や批判のかなり多い使用方法です。
高品質でもその特徴により、飲用してはいけない、あるいは飲用してもあまり効果がない精油は存在します。ヨーロッパでは数か国で精油飲用のガイドがしっかりとあるように、飲用は出来ないわけではありませんが、決して種類や量など無条件に飲用して良いわけではありません。1日あたりの量、1回当たりの量、頻度、連続飲用回数、適切な飲用方法、ご自身の体質や感受性などをしっかりと事前に理解する必要があります。
飲用に際してはアロマテラピーを学んだ方の自己責任でお願いします。「経口摂取の仕方と注意点を教えてくれるアロマテラピー講座」を学んだことがない方は飲用を避けてください。
*精油瓶を破棄したい
自治体の分別ルールに従って破棄します。
重要*アレルギー対策のために
短時間で大量の精油を使用、および3週間以上同じ精油(およびブレンド)を多めに使用しないでください
初めて使用する精油やブレンドについては、トラブルを避けるため少量ずつ試すように使用してください。また、同じブレンドを高濃度あるいは多めの量を毎日使用するのは避けてください。
*トラブル時の対処方法
*精油が皮膚や目・粘膜に付着したら
皮膚の場合
すぐに石鹸で洗うか、劣化していないオリーブオイルなどの植物油で拭き取ってください。
目や粘膜の場合
石鹸で洗うと石鹸成分が粘膜を刺激してかなり痛いので、植物油で洗ってください。その際にごしごし皮膚をこすらないでください。油ですすぐように、浸すように、あるいは軽くなでる程度にしてください。それで精油成分が皮膚から油のほうへ移動します。
何故水で洗わないのか?
精油は親油性のためほぼまったく水には溶けませんので、水で洗っても精油はほぼ流れ落ちません。それどころか、水で洗うと余計に成分が浸透してしまいますので避けてください。水で洗うよう記載がある精油メーカー様や販売者様も多いですし、安全性データシートにも水で洗うようにという記載がありますが、油が一番合理的です。何故水で洗うと余計に浸透するのかについては「アロマの基材について」をご覧ください。
*大量に誤飲した場合は
植物油を飲んで、濃度を薄めることで胃粘膜などに対する刺激をまず緩和してください。吐き出せるようなら吐き出しましょう(体への負担も大きいので、無理に吐こうとはしないほうが良いです)。また、すぐに瓶を持って医療機関を受診してください。瓶記載のロット番号と有効期限にて成分分析表もお店になられると良いかと思います。
参考に:精油のLD50値(体重60kgの大人が一度に飲んだ場合、半数くらいが死亡する量)は、バジルで約90ml(9本)、ペパーミントで300ml(30本)です。精油1滴は精油の種類によっても微妙な差はありますが、だいたい0.05cc程度、重量として0.045gです。