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アロマと精油の基礎知識
精油の安全性・品質のテスト方法
精油の質や安全性をテストする主な方法は以下の通り、存在します。
精油の中に含まれる成分を特定するための重要なテストです。分子構造や分子量、成分量が測定できます。
最低でも99%以上の成分分析がされているかどうかが重要です。少なくとも当店ではそう考えております。アロマテラピーではたった1%、たった0.05%でも効能に影響がある成分があるため、5%も不明成分があれば精油として信頼できません。成分分析を正確に99%行うには非常に高額の費用が掛かるので、低価格の精油メーカーの一部は60~95%程度の低精度の成分分析を行っています。
(画像は島津製作所GCMS-QP2010 SE)
GCMS(ガスクロマトグラフィー)定性質量分析
残留農薬試験
残留農薬試験は、GCMS定性質量分析テストにより、上記の成分分析とは別に行われます。
原料となる芳香植物に農薬を使っていなくても、有機栽培(オーガニック)でも、野生(自生)でも、農薬が検出されることがあります。多年植物の場合、野生植物でも農薬が多量に検出される年とそうでない年などがありますので、残留農薬試験は必要です。オーガニックだから、無農薬だから絶対に農薬が検出されないということはありません(ほぼ検出されませんが)。
高精度な残留農薬試験は高額で、1回の試験に4~10万円かかる為、残留農薬試験は行われないことも割と一般的です。簡易テストを行い、疑わしい場合に高精度残留農薬試験を行う方針のところも多いです。サクララヴニールでは商品名にPFもしくは無農薬と記載している精油や製品、Pesticide Freeマーク表示がある精油や製品は厳密な高精度のヨーロッパ薬局方の残留農薬試験を行っております。
しかし、成分構成が完璧であれば、天然100%とは言えない
成分分析で問題がなければそれで完全なのかと言えば、そうではありません。オーストラリアではティーツリー精油の生産が盛んですが、雑な精油が製造されることが増えてきたため、政府はある時に1-テルピネン-4-オールを30%以上、1,8-シネオールを15%以下含むものをティーツリー精油と規定しました。その結果、市場に出回るティーツリー精油のほとんどがその成分を含有するものになったのですが、別の植物から抽出したそれらの成分を混ぜて調整された、天然100%ではないティーツリー精油も市場に出回っていたことがあるようです。
そこで大切なのが、混ぜ物がないかどうかをチェックできる次の4つのテストです。
比重テスト
比重とは、ある物質の質量と、それと同体積の基準物質の質量との比です。通常、基準物質として一気圧、摂氏4度での純水を1として、精油の比重を比較します。混ぜ物のない純粋な精油はその精油が持つ比重の値の範囲内にあり、その範囲を外れている精油は何らかの混合物が疑われます。
屈折率テスト
屈折率は物質中の光の伝播に関して基本となる数値で、「真空中の光の伝播速度/物質中の光の伝播速度(位相速度)」で計算します。光の伝播速度は精油により異なりますので、こちらも正常の数値の範囲内になければ混ぜ物など異物の混入が疑われます。
旋光度テスト
物質の中に含まれる成分は、そこを通過する光を右や左に旋回させる性質がある場合があります。精油の中に含まれる芳香成分には旋回性を呈するものがありますので、測定管の中に精油を入れて光を当て、どのように旋回するかをテストします。それぞれの精油の基準値を逸脱している場合は不純物や混ぜ物など、異物の混入が疑われます。
官能試験
上記5つはすべて「物性試験」と呼ばれているもので、測定値の比較により客観的な判断を行うことが出来ますが、「官能試験」は数値に表れない異常を発見するために必要な五感を使ったテストです。香りの良い精油は成分のバランスが取れていることが多く、成分分析表などを確認して問題がなくても香りが悪い精油は使用しないほうが良いでしょう。
①視覚的チェック:精油の粘度や色など
②嗅覚的チェック:精油の絶対的な香りを理解している者が香りを確認する
安全性を考えて販売されている精油は、製造元にて芳香鑑定士のnez(鼻)の称号を持つ品質管理責任者により、見た目、香りや味などをテストされています。
また、精油の保管状態が悪い時や、開封後から長期間経過していると一部の成分の揮発や酸化で変質することがありますので、毎回使用前に香りをご自身の鼻でチェックされるのも重要です。香りが明らかに変わってしまった精油は使用を控えてください。
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