精油の偽和

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​ピュアな
精油を求めて

天然100%でない精油を、天然100%と偽って販売することを「偽和」と言います。


残念ながら、世の中に流通している精油の多くが、合成香料や天然香料などで、何らかの成分調整をされていると言われています。そういった精油が「天然100%」と謳われ販売されているのが、香料や精油業界の現状だそうです。

そういう精油を使ってしまうと精油の効果を得られないだけでなく、トラブルの原因ともなりますので、アロマテラピーを行う場合、精油選びは慎重に行いましょう。

 

■天然100%とピュアは違う

・天然100%=天然成分の割合が100%であること(調整や混ぜ物は嘘にはならない)

ピュア=天然100%というだけでなく混ぜ物や成分調整がされていないもの。

■偽和の方法には、以下のようなものがあります。

・化学的に合成された芳香分子(合成香料)を混ぜる

・香りがよく似た他の精油を混ぜる

・他の植物から抽出した天然芳香分子を混ぜる

・別の植物から抽出した精油にその植物以外の名前を付ける

・エタノール、水、油脂、クエン酸トリエチルなどを混ぜる

​標準化

オーストラリアではティーツリー精油の生産が盛んですが、人気が高まるにつれ粗雑な精油が製造されることも増えてきました。そのため、政府はある時にテルピネン-4-オールを30%以上、1,8-シネオールを15%以下含むものをティーツリー精油と規定しました。

 

その結果、市場に出回るティーツリー精油のほとんどがその成分を含有するものになったのですが、別の植物から抽出したテルピネン-4-オールの成分を混ぜて調整されたティーツリー精油も市場に出回るようになりました。

「絶対的な基準値を満たす精油」は無理がある

精油にはある程度の含有成分の基準があるものの、毎年その成分には違いがあります。ですが、「絶対に何があってもその基準を満たしていないものは高品質ではない」とすることには自然に考えると無理があります。実際、優れたアロマセラピストは、精油自体の基準値も重視しつつも、たまにその基準値から少しずれた精油があったとしても「地球の贈り物」として捉え、ブレンドで調整します。

絶対的な基準値を毎回細かく完璧に満たしていることを品質管理条件としている会社の精油は、調整が行われている可能性に注意が必要です。

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真正ラベンダーの偽和

真正ラベンダー精油(学名:Lavandula angustifolia)と言えば、アロマテラピーをする際に、なくてはならない精油の一つです。人気がある上に高価なため、偽和が行われる精油として有名です。その偽和は、以下のような方法で行われます。

【偽和の方法1】

ラバンジンの精油を混ぜる。あるいは、ラバンジンの精油を真正ラベンダーとして販売する

 

ラバンジン(学名:Lavandula X intermedia)は真正ラベンダーとスパイクラベンダー(学名:Lavandula latifolia)の交配種で、真正ラベンダーに比べて収油量が2倍あり、真正ラベンダーに比べると価格も安価な上、香りも真正ラベンダーに似ています。

 

そのため、育てやすく安価なラバンジン精油を真正ラベンダー精油に混ぜて販売する、あるいはラバンジン精油を真正ラベンダー精油と偽って販売することがあります。そうすることで、より多くの利益を得たり、需要量に対する生産量の不足を補おうとしていると考えられます。(念のために書いておきますと、高品質なラバンジン精油は、アロマテラピーに使用しますし、良い効果を発揮してくれます。)

 

真正ラベンダーとラバンジンは、カンファーや1.8シネオールの含有量が違うので、厳密な成分分析をすることで偽和を見抜けることもあります。

 

カンファーや1,8シネオールは真正ラベンダーには、ほぼ含まれません(一般的にカンファーは0.5%以下、1,8-シネオールは1.5%以下)。成分分析表を見た時にそれらの成分が多く入っていた場合、ラバンジン精油であったり、ラバンジン精油が混和されている可能性があります。​

※ただし、あくまで目安ですので、天然100%の真正ラベンダー精油であっても、この範囲に収まらない可能性がないとも言い切れません。​​​​​​

【偽和の方法2】合成リナロールや合成酢酸リナリルを添加する

 

​​リナロールや酢酸リナリルは、真正ラベンダー精油に含まれる代表的な成分です。

​dihydrolinaloolという天然界に存在しないと考えられている成分は、合成リナロールに不純物として含まれます。GC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析装置)でこの成分が検出されると合成香料が含まれていることが分かります。

​合成香料には、少量の不純物が含まれています。そういったものがトラブルの原因となることもありますので、アロマテラピーには天然100%かつピュアなの精油を使用します。

【偽和の方法3】​天然由来のリナロール、酢酸リナリルを添加す

真正ラベンダーのISO規格は25~45%の酢酸リナリル、25~38%のリナロールを含むことととされています。しかし精油は、産地やその年の気候によって含有成分が変わってきます。

抽出した真正ラベンダー精油がISO規格を満たさない場合、酢酸リナリルやリナロールを添加して規格を満たそうとする行為は理に適っていると言えないこともないのですが、アロマテラピーでは植物の全体性を大切にしますので、人工的に成分調整した精油は基本的に使用しません。

【偽和の方法4】有機溶剤、植物油を混和する

有機溶剤や植物油もGC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析装置)を用いると容易に検出ができます。

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